ディオール

美術品ディーラーが作ったブランド

クリスチャン・ディオール(Christian Dior)はもともとは美術品のディーラーとして活躍をしていた人物だったところ、香水ブランドとして有名な「ロゲール・ピゲ」に誘われたことで服飾関連業界に入ったという異色の経歴の持ち主です。
美術品ディーラーであったときにはシュールレアリズムに傾倒していたということもあり、服飾業界に入ってからもその独特のセンスは遺憾なく発揮されています。

クリスチャン・ディオールというブランドの最大の特徴は上品さやエレガントさにあり、上流階級らしい優美さをどの製品からも感じることができます。
ジュエリー類での人気商品にラインストーンを用いたものがありますが、ダイヤモンドに近い輝きを保ちつつも深い色合いがありセレブ感を感じさせてくれる世界を代表するブランドと言えるでしょう。

しかし意外なことに創始者クリスチャン・ディオールが直接経営に携わったのはわずか10年あまりのことであり、ブランド名が世界的に知られるようになった黄金期に53歳という若さでこの世を去っています。

イヴ・サンローランへの継承とブランドとしての成長

クリスチャン・ディオールが亡くなった後に二代目として事業を継承したのはなんとのちに自身でブランドを立ち上げるイヴ・サンローランでした。

なお事業を引き継いだ時イヴ・サンローランはわずか21歳であったということからも、のちの才能の開花を感じさせます。
しかしイヴ・サンローランはのちにアルジェリア戦争で徴兵をされることになってしまい、その後事業はマルク・ボアン新たなデザイナーを中心に展開していくことになります。

日本には2003年から表参道にクリスチャン・ディオールの一号店が出店しており、現在も人気の店舗として営業が続けられています。

クリスチャン・ディオール最大の功績とされているのが「ニュールック」とされるファッションの一大ムーブメントで、「コローラル」という花冠を意識したラインを用いた衣類は以後別のブランドも取り入れるようになるほど世界的なファッションの動きとなりました。

当時は戦後間もない時期ということもありそれまでは禁欲を強いられてきた女性たちが機能性を犠牲にした優美なファッションを求めていた時代ということもあって、一種懐古的なこのデザインは広く受け入れられていったのです。