エルメス

「職人技」を忘れない老舗ブランド

エルメスは、世界で最も有名と言ってもよい老舗のフランス発のブランドです。
数多く女性向けブランドはあれども、エルメスほどその名前だけで高級感を感じさせるものは他にありません。

エルメスの代表的な製品と言えばなんといっても本格的な革製品ですが、これはもともとヨーロッパの帰属向けに馬具工房としてスタートしたという歴史が関係しています。
現在でもブランド発足時から掲げられている「高品質と職人技(クラフトマンシップ)」の精神はエルメスのデザイナーたちに引き継がれています。

エルメスはフランスのブランドですが創始者であるティエリー・エルメス(Thierry Hermes)はドイツのクレーフェルトという街に生まれたドイツ人です。
27歳の時に家族でフランスに移住をしたのち1837年にパリに馬具工房を設立しました。
当時はナポレオン3世の治世であり、以後皇后のウジェニーとともにエルメスの主な顧客となりました。

1879年の終わりになると事業は息子のシャルル-エミール・エルメスへと引き継がれ、そこから馬具工房にとどまらない事業の拡張がされていきます。
馬具の製造を続けつつも、その他の革製品も多く取り扱う店へと変化をしていくことになりました。

ちなみにこのときにパリの中心地であるフォーブル・サントノーレ通り24番地にお店を新たに開いており、これは今もなおエルメスの本店として営業をしています。

エルメスを有名にした「エルメスファスナー」

エルメスの名前を一躍有名にした製品の一つに「エルメスファスナー」というものがあります。
現在ではファスナーをつけたバッグは全く珍しくなくなっていますが、実はそうしたファスナー型のバッグを初めて製造したのは他でもないエルメスです。

当時第一次大戦中であったフランスでは馬具の需要が非常に高く、社長であったエミール・モーリス・エルメスは革の買い付けのためにカナダを訪れていました。
このときに軍用車両で使用されていたファスナーの存在を知り、バッグに応用することを思いつきます。

ちょうど時代が馬から自動車へと需要を変化させていた時期であったこともあり、いつまでも馬具メーカーでは事業は続けられないという判断がピタリと当たった例といえます。
エルメスファスナーはフランスで初めての特許となり、その後しばらくエルメスのバッグの代名詞のように扱われることになります。

服飾メーカーとして再び事業を転換させることになったのは1950年代に入ってからで、後にモナコ王妃となるグレース・ケリーがエルメスのバッグを購入したことで爆発的な人気が生まれました。

この製品はそれをきっかけに「ケリーバッグ」と名称を変え現在までも定番製品として販売されています。
同じように1981年には女優のジェーン・バーキンとコラボをした「バーキンバッグ」を販売し、「高級セレブ女性が持つバッグ」というイメージを定着させるにいたりました。

全て手作りで製造するこだわり

セレブ御用達ブランドであるエルメスのこだわりは、大量生産を行わず現在もフランス国内で職人が1つずつ手作りによって制作しているという点です。

これまで何度もエルメスには量産品を作らないかという勧誘がありましたが、その全てを断り頑なに職人による製造というスタイルを貫き続けています。

エルメスのバッグは流行によって左右されないクラシカルなデザインをしているのもそうした職人による手作りのスタイルゆえのことであり、バッグ1つ作るのに職人が24時間手をかけなければいけないとされています。

エルメスもう一つの代表的な製品となっているスカーフにおいても同じく手作りをしており、一枚一枚職人が縫っていくという他のブランドとは違った手のかけかたがされています。

こうした創業以来の姿勢を貫くことこそがトップブランドとしての価値をより高めることになっていると言えるでしょう。